
WEBデザイナーデザイナーはメンタルを病みやすい?
私の経験をお話しします。
WEBデザイナーのようなクリエイティブ系の仕事はメンタルを病みやすいと言われます。
メンタルが病みやすい会社、環境、メンタルを病むパターンについて、私の経験をお話しします。
目次
クリエイティブ系の仕事はメンタルを病みやすい?
今はフリーランスをしていますが、私はこれまで2社ほどデザイン会社で働いてきました。トータルでだいたい12年ぐらいだと思います。その約12年の会社経験のうちで、結構な人数がメンタルを病んで休職や退職していくのを見てきました。これまで先輩、後輩含め感覚的にだいたい1~2割ぐらいの人が何らかの形でメンタルを病んでいたように思います。症状は様々で、不眠や食欲低下から、鬱状態になって休職や、ある日突然パッタリと出社しなくなってしまった人も結構な数いました。
他の業界については分かりませんが、デザイン業界というか広告業界ではこの手の話は「よくある話」です。
デザインのようなクリエイティブ系の仕事は「メンタルを病みやすい」と思われがちですが、実際メンタルを病む人は多いと思います。
ただこれは単純に「クリエイティブ系の仕事」だから「メンタルを病む」というわけではないと思います。この業界の仕事の進め方、体質、環境などが大きく関係していると思います。この「メンタルを病む」仕事の進め方、体制、環境を理解しておけば、「メンタルを病む」確率が減るでしょう。
特に、デザイン業界に入りたての方や、デザイン会社に転職しようと会社を探している方、今働いている会社に疑問を持っている方などは、自己防衛のためにも意識しておくべきだと思います。
パニック障害になる
私も新人の頃「パニック障害」になったことがあります。
「パニック障害」になったのは、1社目のデザイン会社に入社してだいたい3年目ぐらいの時でした。当時のその会社での働き方は、基本毎日終電、忙しい時期は週に2~3日は会社に泊りで、もちろん土日も仕事という感じでした。その「忙しい時期」が約1か月半ぐらい続き、それが年4回ぐらいある感じです。
当時の状況は、自分は入社3年目の新人にもかかわらず、極端な人手不足から分不相応な責任と仕事量を与えられていました。例えば、一部上場企業の企業サイトの構成書作成、デザイン、コーディングを全て一人で丸投げ、みたいな感じでした。事前の見積もり、代理店との予算交渉、納品後の請求書の発行も一人で行っていました。
それにプラスして若手としての会社の雑務や、日々の更新作業も並行してこなしていました。とにかく当時は毎日きつかったです。
「パニック障害」を発症したのは、当時そのような生活をしており、特に忙しい時期を迎えて、その忙しい時期が終わって遅めの夏休みをとった時でした。
その時は過去一番に忙しく、一月に家に帰れるのが5日ぐらいでした。家に帰ると言っても風呂に入って着換えを取り替えて4時間寝る、みたいな感じでした。会社には一応ベットがありましたが、先輩や上司が優先なので、基本自分は床やイスで寝ていました。正直熟睡はできません。そのような忙しい時期が2か月ぐらいつづきました。何とか納品して仕事が落ち着て、取れていなかった「夏休み」をやっと取れることになりました。夏休みはいつとれるのか直前までわからないので予定は組めません。なので、夏休み中は基本的に家でダラダラと過ごしていました。
夏休みが終わり出社となった時、出社途中の電車で急に気分が悪くなり、その時は途中の駅で降りて10分ぐらい休んでから出社しました。その日から電車に乗ると息が苦しくなり、電車に乗れなくなってしまいました。幸い?会社は自転車で通える距離だったので、それ以来自転車で出社していました。
その後、体調不良以外の理由ですが、その会社を退職しました。退職後、半年間ぐらいのんびりと過ごしていたら、その症状はおさまっていました。
自分が思うに、連日の寝不足、不摂生の日々から急に緊張がほどけて、自律神経がおかしくなった事が原因だったのでないかと思います。そして、「電車に乗ると、気分が悪くなる」と脳内で結び付けてしまったのではないかと思います。

メンタルがやられるパターン
先の見えない無限納期地獄
これまで見てきた感じでは、「メンタルを病む」のは新人や入社5年目以内の若手が多かったと思います。それなりの権限がある上の人やいわゆるエライ人たちは、メンタルを病んで休職、退職しているのをあまり見たことはありません。
新人や若手が病みやすいのは、「仕事をコントロールできない」のが原因の一つだと思います。若手の内は先輩や上司からバンバン仕事を振られます。細かい更新作業などを含めると毎日2,3個納期があるなんて状況になりがちです。「明日の朝イチまでやっといて」「今日中ね」みたいな感じで、コッチのスケジュールを一切気にしないで雑に仕事を振ってくる上司の下につくと、本当に地獄です。週末は休めるかどころか、今日帰れるのかすら直前までわからないので、かなりのストレスです。いつになった仕事が落ち着くのか、いつになったら休めるのか分からない状態で、日々というか毎時間納期に追われる生活は心が病んできます。また徹夜、休日出勤続きになり自律神経もおかしくなり体も壊れていきます。
本当に仕事がパンパンに詰まっているにもかかわらず、それでも仕事を無理やりねじ込んでくる上司にあたると最悪です。
またクリエイティブ系の仕事は、営業職と異なり基本的に一日中社内にいることが多いです。つまり一日中上司などの周りの目が存在します。こまかくチェックしてくる上司の下につくと、気の休まる瞬間がなく、かなりのストレスを感じることになります。
ある程度役職が上がってくると、自分で仕事をコントロールできる立場になります。もちろん更に上の上司や社長やクライアントからのプレッシャーはあります。しかし、全体の仕事量は把握できているし、常に四六時中プレッシャーをかけられているというわけではなく、仕事が許容量を超えたら立場上まわりの人間に仕事を振ることも可能です。
慢性的な人手不足の会社だと、仕事量が増えた時のシワ寄せが若手に向かいがちです。特に小さいデザイン会社なんてどこも人手ギリギリでやっているので、常に人手不足です。
日々の仕事のプレッシャーで「メンタル」を、休み無しの長時間労働で「カラダ」をそれぞれ壊すのがよくあるパターンです。
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真面目な人ほどメンタルがやられやすい?
「真面目」で「責任感」が強い人は、メンタルを病みやすい、などとよく言われます。実際、自分がこれまで見てきた感じだと、あながち間違えではないと思います。本当に真面目で責任感がある「いい人」ばかりメンタルを病みがちでした。
やはり真面目で責任感が強いと仕事を抱え込んでしまいがちだし、適当な仕事はできないのだと思います。特にデザインという仕事は、なかなか自分が納得できるものはつくれません。時間をかけようと思えば幾らでも時間をかけられます。本当に腰をすえていいデザインを作ろうと思うとそれなりに時間もかかります。
しかし、どんな案件でも必ず納期があり、ある一定の期間で仕事に見切りをつけなければなりません。そのあたりの「自分的には納得いってないけどクライアントの要望は満たしてるからOK」みたいな感覚で、自分の中で割り切れる事が、精神衛生上とても大事だと思います。
日々納期に追われている中で全ての仕事を「完璧」にしようとするのは無理です。ある程度割り切って仕事をこなしていかないといつかメンタルを病んでしまいます。

「会社を辞める」という選択肢を持つ
日々の仕事に追われていると、どうしても周りが見えなくなってしまいがちです。その会社での仕事が全てだと思ってしまいます。「他のデザイン会社(制作会社)も、どこも一緒だ」なんて事も言われるかもしれません。
ハッキリいってメンタルを病むような働き方は異常です。デザイン会社(制作会社)でも普通に働ける会社はいくらでもあります。最近の風潮だと、長時間労働を強いるようなブラックな会社は社会的にも法律的にもNGです。プレッシャーの中で長時間休みなく働くような会社に居ても良い事なんかありません。そもそも、肉体的にも精神的にも、そんな会社では何年も働けません。
常に「いつ会社を辞めてもいいや」ぐらいの感覚でいる方が精神的に良いのかもしれません。「最悪辞めればイイや」ぐらいの方が精神的に楽になると思います。正直、WEB制作会社なんて世の中にいくらでもあります。制作会社でなくても、一般の企業でもWEBデザイナーを募集していたりします。
特に今すぐ転職するつもりがなくて、ちょこちょこ転職サイトや転職会議のような口コミサイトなどを眺めて、他の会社の「普働き方」をチェックしておくといいと思います。自分の働き方を客観視できると思います。
≫ 転職会議
もしすでにメンタルがやられているなら…
もしすでにメンタルを病んでいるなら、すぐにでも休職や退職したほうがいいです。責任を感じたり、周りに迷惑かなと思ったりして、無理して頑張ってはいけません。そこで無理しても何も良いことはありません。すぐにでも心療内科に行くことをお勧めします。そして、すぐにでも休職または退職するべきだと思います。メンタルを病んだ状態で無理して働くと、より一層病んでしまう場合もあるので、なるべく早く何かしらの対応をとるべきです。
休職したり退職したりすると、「周りに迷惑がかかる」とか「仕事が回らない」などと考えてしまうかもしれない。しかし、メンタルを病んでしまうような労働環境は「会社の責任」であり、その結果社員が病んでしまい休職または退職せざるを得ない状況になってしますのは当然「会社の責任」です。変に責任を感じる必要はありません。
世の中にはWEBデザイナーが「普通」に働ける環境はいくらでもあります。メンタルを病むような労働環境は異常だと思ってください。今自分が置かれている環境だけに固執ぜずに、なるべく広い目で自分の置かれている環境を客観的に見ることが大切だと思います。
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