未経験からフリーランスのWEBデザイナーになるのはオススメしません!
その理由について解説します。
また、どうしてもフリーランスになりたいなら注意すべき点など説明します。
未経験からフリーランスになって半年で月収100万円!?
ネットを見ていると「未経験からフリーランスのWEBデザイナーになって、半年で月100万円稼げました」的な発言をたまに見かけますが、ハッキリ言って未経験からいきなりフリーランスになって、それだけ稼ぐのはほぼ不可能です。
私もWEB制作の仕事を15年以上やっており、これまで2社WEB制作会社で働いていました。そして今現在はフリーランスとして活動しています。それだけキャリアがあっても「月収100万以上」はなかなか大変な数字です。
未経験からいきなりフリーランスになって「月収100万以上」が嘘とは言いませんが、よっぽど「割のいいオイシイ仕事」が続いて、支払いが「たまたま」まとまった、ぐらいじゃないと正直月収100万以上は厳しいと思います。
ちなみに、WEBサイトの制作費の目安として、10ページ程度の普通のWEBサイトを制作する場合、WEB制作会社が出す見積りが、だいたい30万~60万円ぐらいだと思います。もちろん作業内容によっては30万円以下の場合もありますし、100万円近い見積もりになる場合もあります。
「月収100万以上」得るには、ざっくり言うと一月に10ページ程度のサイトであれば、2~3本「納品」しなければならない計算になります。
「WEBサイトの制作」と言っても単純に「デザインをおこして、サイトコーディングして終わり」という訳ではありません。デザインやコーディンなどの実制作以外にも「お客様との打ち合わせ」「サイト構成書の作成」「修正対応」「見積り、請求書作成」など細々と様々な作業が発生します。
一人で営業から制作まで全てやって、1月で2~3本のサイトを「納品」するのがどれだけ大変なことか、WEB制作に携わったことがある人ならわかると思います。
しかも、未経験のフリーランスが一人でWEB制作会社がつくるのと同じようなクオリティのWEBサイトを作りつづけるという事自体かなり無理があります。
そもそも未経験のフリーランスに、普通のWEB制作会社に発注するのと同じ予算の案件が途切れず来続けるなんてことは夢のような話です。何かしらのコネがないとまず無理です。
「ランサーズ」や「クラウドワークス」などのクラウドソーシングサイトでWEB制作系の案件を探すと分かると思いますが、予算はかなり安いです。未経験のフリーランスが「月収100万以上」稼ぐ事が如何に難しいかが理解できると思います。
未経験からいきなりフリーランスになることが厳しい理由
制作以外の経験、知識がない
フリーランスとして仕事をすると、デザインやコーディング以外にも様々なことを一人でこなさなければなりません。
お客様との「打ち合わせ」や「サイト構成案」の作成、「見積り」や「請求」などの経理関係、それこそ「テストサーバーはどうするか?」や「秘密保持契約(NDA)」を結んだりなど細かい事も含めると、仕事は多岐にわたります。
WEBサイトをゼロから制作する場合、デザインやコーディングなどの制作業務以外の仕事だけで、全体の3分の1ぐらいの時間を割いている印象です。
この「制作以外の業務」をおろそかにしてしまうと、トラブルの原因になりかねません。
このあたりの「制作以外の業務」は仕事をしていく上で必要不可欠ですが、独学で学ぶには難しい業務です。「経験」を経て学んでいくしか方法はないでしょう。
デザインは特に独学が難しい
デザインは特に独学が難しい分野だと思います。
デザインは第三者からフィードバック(ダメ出し)をもらって、それを踏まえた上でアウトプット(デザイン)を繰り返すことでうまくなっていくものだと思います。デザインは独学が難しく、しかもデザイン善し悪しは自分ではなかなか気づきにくいものです。
デザイン会社だと新人デザイナーは、先輩の下でアシスタント業務をしながらデザイン力を鍛えられていきます。
最初の内は、どんな些細なデザイン、例えばちょっとしたバナーやサムネイル程度でも、しっかりチェックされると思います。例えば、微妙な色味や文字詰めなども細かくチェックされます。
そして、デザインを直されて初めて自分の元のデザインの「ダメさ」に気づいたりします。
デザインは一人でやっているとどうしても一人よがりになってしまいがちで、ともすれば自分の好みが強く反映しすぎてしまいます。ある程度の経験を積むまでは、なるべく第三者のチェックが必要です。
フリーランスは失敗が許されない
「失敗を繰り返して成長する」的な話がありますが、お客様側からしてみれば、たまったもんではありません。
WEB制作会社の中の一新人の失敗であれば、先輩や上司が何とかフォローしてくれるでしょうし、多分フォローできる範囲でしか仕事は振らないと思います。
フリーランスの場合だと、失敗の責任は全て自分にありますし、全て自分でフォローしなければなりません。
WEB制作会社の中の新人であれば失敗は「有益な経験」につながると思います。しかし、フリーランスの失敗は「有益な経験」以上に、今後仕事をしていく上でのダメージを受ける可能性があります。
フリーランスは信頼が大切です。あくまでも一個人を信頼してもらったうえで、仕事をいただきます。
その信頼を壊すような「失敗」は、フリーランスにとっては文字どおり「致命傷」になってしまうでしょう。
制作実績がない
お客様が仕事を依頼する際、発注先の「制作実績」はとても重視します。
未経験からいきなりフリーランスになると「制作実績」は当然ありません。お客様側からしてみても「制作実績」がないと、仕事を依頼しようにも「信頼」できるだけの根拠がありません。
何年かWEB制作会社などで経験を積む
フリーランスになりたかったら、まずはWEB制作会社に就職することをオススメします。
WEB制作会社で何年か一通りの経験を積んでから独立した方が失敗する確率が低くなるでしょう。
フリーランスになる前に、一度はWEB制作会社で働いたほうがイイ理由について説明します。
「経験」が得られる
新人の内は特にですが、一人で仕事をするより会社の中で複数の人と一緒に仕事をする方が、得られる「経験値」は多くなります。
WEB制作会社では常に複数の案件が動いています。ある人はLPを作っていたり、ある人はECサイトを作っていたり、ある人はファッションブランドのサイトを作っていたりと、複数の案件が同時進行しています。
それらの制作過程を見たり話を聞いたり、又はデザインやコーディングの元データを見せてもらったりと、一人で仕事をしていると決して得ることのできない経験値を積むことができます。
個人的な経験ですが、優秀な人の仕事の進め方やデザインやコーディングのデータを見させてもらい、色々と質問・相談していると短期間で各段に成長すると思います。
フリーランスとしてやっていけるだけの「経験」や「知識」を得たいのであれば、独立前にまずは優秀なWEB制作会社で働くことがもっとも効率的な方法だと思います。
独立した際の最初の顧客を得られるかも
フリーランスになって何よりも大変なのが仕事探しです。
フリーとして独立したらまずすることは、今までの代理店などを含めたお客様や知り合いの会社に「独立しました」メールを送ることです。上手くいけばそこから最初の仕事をもらえるかもしれません。
もし仕事がもらえなかったとしても、紹介で別の所から仕事をもらえる場合もあります。
独立に備えて、会社員の時になるべくお客様や関係会社など広くいい関係を築いておきましょう。
相談相手ができる
フリーランスとして1人で仕事をするようになると、相談する相手がいないことに気づくと思います。
基本的に一人で考えて自分の判断で仕事を進めていきます。自分のやり方は正しいのだろうかと思ってしまうこともあります。
また、WEB業界は日々新しい技術が出てきます。技術的な意味でもデザイン的な意味でもトレンドは日々変化し続けています。一人で仕事をしていると意識的にトレンドを追いかけていないと、すぐにトレンドについていけなくなってしまいます。
そういった意味で、身近に相談や情報交換ができる人間、例えば同僚や先輩がいると、とても心強く感じるでしょう。
おいおいフリーランスは目指すのであれば、社内の同僚や先輩といい関係を築き上げておくと良いでしょう。
制作実績が作れる
前にも書いたようにフリーランスで仕事を得るには「制作実績」が不可欠です。
WEB制作会社で社員として働くと,、いろいろな案件に関わることができます。それこそ、個人ではとても受けられないような大企業や大規模サイトの開発などにも携わることが可能です。
個人では受けられないような案件に関わる事はいい経験になりますし、自分の「実績」にもなります。
フリーランスになることを考えているのなら、なるべくネームバリューのある「制作実績」を作っておくと、独立後仕事を得やすくなります。
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それでも、いきなりフリーランスでやりたいなら
基本的に未経験からいきなりフリーランスになる事はオススメしません。
それでも、どうしても未経験からフリーでやっていかなければならない事情があるなら、以下の事を試してみるといいかもしれません。
最低1年分ぐらい生きていけるだけの貯金をつくる
最初は収入がほぼないと思います。あったとしても微々たるものでしょう。なので当分生活できるだけの貯金はしておきましょう。
また、WEBサイトを納品したとしても支払いは納品から2月後なんてザラなので、やはりそういった意味でも当面の貯金は大切です。
フリーランスになって半年は無収入を覚悟して下さい。
仕事をふってくれそうな人を前もって探しておく
前もって仕事ふってくれそう人を探しておくの良いでしょう。それこそ知り合いのお店だったり、趣味のサークルだったり、最初の内は利益度外視でやってみてもいいかもしれません。
それが制作実績になったり、他の仕事につながる事もあります。
クラウドソーシングを利用してみる
「 ランサーズ 」や「クラウドワークス 」などのクラウドソーシングサイトを利用してもいいかもしれません。
お金にもなりますし、実績作りにもなります。
自分でもできそうなものがあるか一度チェックしてみるといいでしょう。
SNSを活用する
そもそも自分が「WEBサイトの制作をやっている」ことを世間に知ってもらわないと、仕事はきません。
SNSを利用して告知するといいでしょう。
もしかしたら長年連絡をとっていなかった人から相談が来るかもしれません。
視野を広く、第三者のメンター的な存在をみつける、同業者と広く交流を持つ
前に書いたように「相談相手」「情報交換ができる相手」は、フリーランスで仕事をしていく上で、とても心強く大切な存在です。
いきなりフリーランスになると、そのような人はなかなか見つけにくいと思います。
積極的に交流会や勉強会に参加してみるのもいいかもしれません。
また、もし今後プログミングスクールなどに通う予定の人は、そこで出会った人たちとの関係を大切にしましょう。後々、いい相談相手になってくれるかもしれません。
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まとめ
基本的に未経験からいきなりフリーランスになることはオススメしません。ハッキリ言って失敗する確率が高いと思います。ましてや「フリーランスになって月収100万」なんて事はかなりのレアケースだと思ってください。
フリーランスでやっていきたいのなら、まずはWEB制作会社に就職するなりして、しっかりと「経験」と「知識」をつけて、フリーランスでやっていけるだけの「人間関係」を築き上げてください。
そこまで出来て初めてフリーランスになることを検討してみてください。
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