「WEBデザイナーに向いている人とはどんな人なのか?」について書いていきたいと思います。
今まで何人ものデザイナーやフロントエンドエンジニアと仕事をしてきて、WEB制作の現場で活躍している人達の共通する資質というか性格みたいなものを書き出してみました。
WEBデザインの仕事に就きたいと思っている人や、WEBデザインの仕事に興味がある人の参考になれば幸いです。
物事を論理的に思考、説明できる人
デザイナーになるにはセンスが必要だと思われがちです。
「急にデザインが閃いて、ササっとデザインを描き上げる」みたいに思われがちです。(たまに本当にお客さんでもこういう風に考えている人がいます。)
そんなことはないです。デザインを作る前に、クライアントからヒアリングして制作意図を把握して、競合会社の調査、今後のサイトの展開、運営まで考えてからデザインを作り始めます。
そしてデザインが完成したら、デザインの作成意図、どうしてこのデザインが良いのかをクライアントに説明しなければなりません。
もちろん、コーディングには論理的思考は必須です。何十ページにもなるサイトをコーディングする場合など、実際のコーディング作業に入る前にちゃんと設計を考えてから作業を始めないと、間違いなく途中で破綻します。
論理的に考えて仕事を進められる人でないとWEB制作の仕事は厳しいです。逆にいうと「勢い」で仕事を進めると必ず失敗します。
柔軟に物事を考えられる人
デザインする場合でも、コーディングする場合でも「柔軟性」は大切です。
デザインしていると「煮詰まる」ことはよくありますし、クライアントからの要望が『なぞなぞ』レベルのものが度々あります。
例えば、「文字はもっと目立たせたいけど、これ以上派手にしないで」とか。それに対して「文字の大きさはそのままで、周りの要素を小さくしてみようかな」など、柔軟に考える必要があります。
コーディングでも謎のバグが出て、ハマってしまうことが多々あります。やはりそういう時でも、「柔軟性」は必要です。いろんな方向から解決策を考え、試してみて、最悪そのバグの原因となっている機能自体を全く別のやり方で作り直すことも必要になってきます。
ミーハーな人
「ミーハー」とは「常に新しい物事に興味をもつ」ということです。
デザイナーは新しい物事に対して常にアンテナを張っておく必要があります。どんなモノでもその時の「流行り」を多少なりとも意識してデザインする必要があります。常に「今どういうのが流行っているのか?」を意識しておくべきでしょう。
同様に、フロントエンドエンジニア志望の人も常に新しい物事に関心を持っておく必要があります。
フロントエンドの技術はとんでもなく早いペースで日々進化しています。去年流行ってた技術が翌年オワコン化しているなんてよくある事です。例えば、有名どころだとMovable Type →Wordpressや、Flash→死亡などでしょう。Movable TypeやFlashなどはその技術だけで一時は仕事になっていたので、一旦廃れた時は大惨事でした。
やはり常に業界の動向を気にしながら、新しい技術に興味を持ち続けることが必要でしょう。
仕事とプライベートの切り替えができる人
デザインが煮詰まってくると、なかなか頭からそのことが離れず、四六時中デザインのことが気になってしまうことがあります。この状態はあまり良いことではなく、この状態がつづくと精神的にまいってしまいます。
また、あまりにも忙しく、毎日何かしらの納期があるような日々が続くと、緊張と責任感からか、やはり精神的にまいってしまうことがあります。
クライアントから「これはないだろ!」と思うような修正指示が来るときもあります。デザイナーにとって自らの手で「ダサい」方向にデザインし直さなければならない時は、本当にやりきれない気持ちになります。
こういうメンタルの状態を引きづるのは、あまりイイことではありあません。
この仕事を長く続けたいなら、仕事とプライベートをキッチリ分けられないと精神的に大変だと思います。ある程度「これは仕事」と割り切れた方が精神衛生上いいと思います。
他者とのコミュニケーションを面倒くさがらない人
WEBデザインを「一人でモクモクとできる仕事」と考えている人が結構いるようです。確かに基本的に一人でモクモクと作業する時間は多いと思います。そして実際そういう仕事のやり方が好きな人も多いです。けれども決して「他者とコミュニケーションをとらなくていい」と言うわけではありません。
もちろんクライアントとは話さなければいけませんし、1人で完結するプロジェクトなんてほとんどありません。デザイナー、ディレクター、フロントエンド、アシスタント、場合よっては営業、そしてもちろんクライアントと、一つのプロジェクトで色々な役割の人と共に仕事を進めます。
デザイナーやフロントエンドエンジニアなど制作側に「コミュニケーションをとることを面倒くさがる人」がよくいます。決して「コミュニケーション下手」ではなくて、単に作業に集中したいから結果として「コミュニケーションが不足」してしまう、ように感じます。
トラブルの原因でよくあるのが、この「コミュニケーション不足」です。「言った」「そんなこと聞いてない」「伝わっていると思ってた」なんてことが良くあります。
他者とのコミュニケーションをおろそかにしない事が結果的にいい仕事につながると思います。
インドアな生活が耐えられる人
WEBデザインの仕事は、一日中室内(社内)にいてモクモクと作業を続ける日々になります。多分世間で思われている以上に地味です。「キラキラでオシャレな仕事」なんてことはないです。(もしかしたら一部の広告代理店のWEBチームなんかはオシャレな感じなのかもしれません。)
自分は全然大丈夫なのですが、人によってはこれが「ツライ」と感じる人がいるようです。「インドア派」とういうわけではなくて、「インドアな生活でも大丈夫」という感じであれば、WEBデザイナーに向いていると言えるでしょう。
調べる事(ググる事)を面倒くさがらない人
特にフロントエンドエンジニアは新しい技術を使う時は、常に「ググりながら」作業を進めます。
デザイナーもデザインをおこす時に、まず競合サイトを見ますし、デザインの参考になるようなサイトを探します。
フロントエンドエンジニアだろうがデザイナーだろうが、いつも何かしらググってます。
この検索癖と言うか「検索のうまさ」みたいなものは仕事する上で、必要な能力になってきます。
また検索癖があると結果的に新しい技術、知識、アイデアを得ることがあります。そういった意味でも、面倒と思わず何かと検索することは大切です。
効率的に仕事をすすめようと常に意識している人
いいデザイナー、フロントエンドエンジニアは概して仕事が早いです。
仕事が早い理由の一つは、常に効率的に仕事を進めることを意識しているからだと思います。効率的に作業を進めることによって、調べたり、考えたりする時間を確保しています。
結果的に「効率的」に仕事することを意識している人は、いいデザイナー、エンジニアになるように思います。
スケジュール管理がちゃんとできる人
WEB制作の仕事において(どんな仕事でもそうだと思いますが)スケジュール(納期)は厳守です。
スケジュールに遅れると、どんなに腕が良くても信頼を失います。
デザインでもコーディングでも、基本的に「人」がやるもので、その作業をする「人」の能力や性格みたいになモノが制作物に大きく影響します。
やはりクライアントも制作者を信じているから、発注してくれると思います。クライアントと制作者のあいだに信頼関係がないと仕事は成り立ちません。
スケジュールを守れない人とは、どんなに腕が良くても信頼関係を築くのは難しいでしょう。
私も時間にルーズな方ですが、仕事の納期は一度も落としたことはありません。「スケジュールを守れなかったら、もう二度とこのクライアントとの仕事はない!」ぐらいの気持ちで仕事をしています。
デザイン(コーディング)が好きな人
最後に、「デザイン(コーディング)が好きな人」です。
もうこれは当たり前でしよう。好きでないと、この仕事は向いていません。
逆に、デザインやコーディングが楽しいと感じられれば、この仕事に「向いている」と言えるでしょう。
まとめ
今まで仕事したデザイナーやフロントエンドエンジニアの中で特に優秀な方たちで、上で挙げたような資質を持っている方たちが多かったように思います。
もちろん一つでも当てはまらないと「WEBデザイナーに向いていない」というわけではありません。私も本来の性格は「コミュニケーションを面倒と思う」タイプですし、「仕事とプライベートの切り分けが下手」なタイプです。(このへんは意識して気をつけています)
そんな自分でも15年以上WEB業界でやっていけています。
なによりも「デザインが好き」「コーディングが楽しい」という事が一番大切な資質だと思います。
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